風景と食設計室 ホー《消えゆく日々、そこにあるもの》、さいたま国際芸術祭2020/Photo:津山 寿文
「風景と食設計室 ホー」は、高岡友美と永森志希乃の2 人組アーティストユニットです。「遠くの風景と、ひとさじのスープ。世界とわたしの手のひらは繋がっている」をコンセプトに、食を風景・文化・社会の切り口から捉え、そのときその場所でしか体験できない食のインスタレーションやパフォーマンスを国内各地で展開しています。
ホーはこれまで場所の歴史や伝承などその地域に残されたさまざまな痕跡を手がかりにした作品を発表してきましたが、今回発表する新作《消えゆく日々、そこにあるもの》は、さいたま市に在住・通勤する27名にホーが制作したオリジナルの日記を手渡し、日々そこに愛についての自身の考えを綴ってもらった個人の言葉の蓄積が題材になっています。
エーリッヒ・フロムは著書『愛するということ』のなかで「愛は、人間のなかにある能動的な力である。人をほかの人びとから隔てている壁をぶち破る力であり、人と人とを結びつける力である」※1 と述べています。日記を前に愛について思考するなかから生まれた一人ひとりの言葉は、その状況下でしか立ち現れることのない記憶と温度を宿したものであり、その言葉を体験する私たちに、記された言葉の奥に広がる一人ひとりの人生を想像させます。
※ 1 エーリッヒ・フロム『愛するということ 新訳版』(鈴木晶訳、紀伊国屋書店、 1991 年)p.41
日時
2020年10月17日(土)-2020年11月15日(日)月曜休館
12:00-18:00(最終入場17:00)
会場
旧大宮区役所1階
さいたま市大宮区大門町3-1
※「大宮駅」下車、東口より徒歩で約5分