MEAT VOICE(小国士朗+澤田智洋)《SAKEBIBA》、さいたま国際芸術祭2020
MEAT VOICEは小国士朗と澤田智洋の2名からなるクリエイティブユニットです。「人の肉声には力がある」という仮説から、SNSが発達し声を使わないコミュニケーション全盛の時代だからこそ肉声の力を使ったコミュニケーションを生み出すことで、人の意識を少しだけ変化させていくプロジェクトを実施します。なお、今回がMEAT VOICEとして発表する初めての作品になります。
小国は、NHK勤務時代『プロフェッショナル仕事の流儀』や『NHKスペシャル』などの情報系のドキュメンタリー番組の制作に携わり、現在は、認知症の人が働くイベント型レストラン『注文を間違える料理店』や、がんを治せる病気にするプロジェクト『deleteC』を企画・事業化するなど、さまざまな社会課題をユニークな視点で捉え直し、人や企業を巻き込みプロジェクトをつくり出すプロデューサーです。
澤田は、「スポーツ弱者を、世界からなくす」を掲げ、さまざまな年齢や性別の人が楽しめる新たなスポーツの開発・普及をめざす「世界ゆるスポーツ協会」の代表理事を務めながら、義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー(Amputee Venus Show )」や、視覚障害者アテンドロボット「NIN_NN」のプロデュースなど、社会にある常識を楽しみながら変えていくプロジェクトを展開しています。
この2人に共通するのは、社会のなかにある違和感や課題をユーモラスな視点で捉え直し、そこに年齢や世代を越え多くの人が主体的に参加できる状況を実現させることにあります。当事者と部外者を分け、課題解決方法を探していくのではなく、緩やかにすべての人が当事者になる環境を生み出し、一人ひとりが能動的かつ楽しみながら行動していく状況を作り出しています。
今回発表する作品《SAKEBIBA》では、参加者が、誰に遠慮することなく、全身全霊で叫ぶことができます。コロナ禍により「叫ぶこと」が失われたと思ってしまいますが、考えてみればその前から生活の中で叫ぶことが少なくなってきていたことに気がつくでしょう。彼らの作品を通じて、私たちは、日々の習慣や慣習に小さな変化を生み出していくことが、結果として大きな影響を与える可能性があることに気づかされます。
展示
2020年10月17日(土)-2020年11月15日(日)月曜休館
12:00-18:00(最終入場17:00)
SAKEBIBAワークショップ
あなたが存分にシャウトできる「SAKEBIBA(叫び場)」をご用意しました。2020年のあれこれを、叫びにきてください。生まれ変わったような気持ちになれます。MEAT VOICEの二人がお待ちしております。
2020年11月7日(土)13:30-15:30
旧大宮区役所1階 ベス・スティーブンス&アニー・スプリンクル展示エリア
予約不要
※参加希望者多数の場合、お待ちいただくことがあります。ご了承くださいますようお願い申し上げます。
会場
旧大宮区役所1階
さいたま市大宮区大門町3-1
※「大宮駅」下車、東口より徒歩で約5分
制作・協力
青木茂
新井治
小柴一浩
鈴木直哉
田中文久
千田マミ
遠山昇司
HIGURE 17-15 cas
藤野由紀