クラウス・ダオヴェン《植物》、さいたま国際芸術祭2020/Photo:丸尾隆一
雨風にさらされて長年堆積した表面の汚れを除去することでイメージを浮かび上がらせていく手法で表現活動を展開するクラウス・ダオヴェンは、まちなかの電源ボックスや車両止めから、防波堤、コンクリートダムなどの巨大な建造物まで、屋外でのプロジェクトを数多く手がける作家です。ワイヤーブラシや高圧洗浄機を使用し、何かを付け加えるのではなく取り除くことによって描かれるドローイングは、時間の経過とともに消えていくという点が大きな特徴であり、自然の摂理にもとづいた作品とも言えるでしょう。
自然と建物(また私たち人間の営み)との関係性と探求するダオヴェンが、本芸術祭において計画していたプランは、これまでと同様「クリーニング・ドローイング」の手法を用い、ケルヒャーの高圧洗浄機により床面の汚れを洗浄することで生まれるコントラストによって旧大宮区役所の南館屋上に花のシルエットを描き、都市のなかに巨大な自然を出現させるというものでした。
新型コロナウイルス感染症の影響により来日を諦めることになり、屋上でのプロジェクトは実現できませんでしたが、掃除用のスポンジワイプ(布巾)を支持体とした植物のドローイングを展示しています。
日時
2020年10月17日(土)-2020年11月15日(日)月曜休館
12:00-18:00(最終入場17:00)
会場
旧大宮区役所2階
さいたま市大宮区大門町3-1
※「大宮駅」下車、東口より徒歩で約5分