公開日:2019年1月1日
キュレーターチームが初めて公の場に登場しました
NEWS:お知らせさいたま市で初めて開催された国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」を引き継ぎ、2回目の開催となる、さいたま国際芸術祭2020「Art Sightama」のオープンミーティングを、2018年11月23日(祝)にさいたま市浦和区の映画館を舞台に開催しましたので報告します。
遠山昇司ディレクターは、テーマ「花/flower」には、美しさだけでなく、生と死、人生など重層的な意味を込めることができると述べ、「花」のもつイメージは、すでに皆さんの頭の中に、心の中に存在しているとメッセージを送りました。また、自身の映画監督としての経験を踏まえて、さいたま国際芸術祭2020について、新しいさいたまの風景が浮かび上がってくる国際芸術祭にしていきたいと抱負を伝えました。
ロゴデザインについて、田中偉一郎ビジュアルディレクターは、さいたま国際芸術祭2020の開催時期に、アートワークやさいたま市の風景が花に見えてくるように、また、ひとつひとつの会場、来ていただいた方々を渡り歩いていける展開が可能なロゴマークが必要と思い、蝶をイメージしてデザインし、ArtとSightamaを「×」でつなぐ記号としてもやわらかく機能するといいと思う、とロゴに込めた想いを語りました。
さいたまトリエンナーレ2016のディレクターを務めた芹沢高志氏と遠山昇司ディレクターの対談では、芹沢高志氏から美術以外の分野から国際芸術祭のディレクターに就任した遠山昇司ディレクターへの期待が寄せられました。
初めて公の場に登場した企画制作に携わるキュレーターチームは30歳~40歳代の若手を多く起用した構成で、演劇やデザイン、ビジネスプラットフォーム構築など、美術の分野だけでなく幅広い分野から集結しました。2020年の開催に向けて始動した、さいたま国際芸術祭2020「Art Sightama」にぜひ御注目ください。
[さいたま国際芸術祭2020について、自身の映画監督としての経験と関連して] 映画監督としては、風景をずっと扱ってきました。風景を切りとって映画はつくられていきます。風景は、その地域の文化的なアイデンティティを示していると僕は思っています。ある種、地域の特徴・特性、もしくは、よりどころのようなものが風景には浮かび上がってきています。それを実は皆さん、日常の中で見ていらっしゃる。今回の芸術祭は、花という風景、まさに「さいたまという風景」、花をテーマにしながら、新しいさいたまの風景というものが、浮かび上がってくる、そういったものを僕は今回の芸術祭で目指そうと思っています。
■ 芹沢高志(さいたまトリエンナーレ2016ディレクター・さいたま国際芸術祭実行委員会参与)
[遠山昇司ディレクターについて] 新しいユニークな流れとしては、映画監督、あるいは演劇なんかでもいい、まちに飛び出していっている演劇なんて言うのも多いですから、そういう美術畑ではない人たちの起用というのがあると、非常に面白いんじゃないかなと思っていました。そのなかで遠山さんが、さいたま国際芸術祭2020のディレクターに決まり、どんなふうになっていくのか期待しています。
プロフィール
■ 遠山 昇司(とおやましょうじ)ディレクター
映画監督。1984年熊本県生まれ。法政大学国際文化学部卒業。ボストン大学留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科修了。映画作品『NOT LONG, AT NIGHT -夜はながくない- 』『冬の蝶』などで監督・脚本を務めており、国内外の映画祭で高い評価を得ている。現在アートプロジェクト『鮫ヶ浦水曜日郵便局』『ポイントホープ』のディレクターを務めている。
■ 田中 偉一郎(たなかいいちろう)ビジュアルディレクター兼キュレーター
クリエーティブ・ディレクター/現代美術作家。2000年より、数々の企業のブランディングからアウトプットまで手がける一方で、ノーメッセージを旗印に数々の作品を発表。日経広告賞、広告電通賞、日本パッケージデザイン大賞、六本木クロッシングオーディエンス賞など受賞多数。著書に「やっつけメーキング(美術出版社)」「スーパーふろくブック(コクヨ)」など。Eテレ「シャキーン!」にて出演中。
■ 浜谷 辰彦(はまたにたつひこ)キュレーター
1975年石川県生まれ。アートディレクター。東京芸術大学先端芸術表現科卒。様々なクライアントのアートワークやコーポレートアイデンティティ開発、スタートアップ企業のブランディング作業などを行うかたわら、スポーツを応援するグラビアアイドルユニット「グラチア!」をプロデュース。
■ 林 曉甫(inVisible)(はやしあきお)キュレーター
1984年東京生まれ。立命館アジア太平洋大学アジア太平洋マネジメント学部卒業。卒業後、NPO法人BEPPU PROJECTに勤務し公共空間や商業施設などでアートプロジェクトの企画運営を担当。文化芸術を起点にした地域活性化や観光振興に携わる。2015年7月にアーティストの菊池宏子と共にNPO法人インビジブルを設立。
■ 菊池 宏子(inVisible)(きくちひろこ)キュレーター
東京生まれ。ボストン大学芸術学部彫刻科卒、米国タフツ大学大学院博士前期課程修了。米国在住20年を経て、2011年、東日本大震災を機に東京に戻りNPO法人インビジブルのクリエイティブ・ディレクターを務める。その他武蔵野美術大学、立教大学兼任講師、一般財団法人World In Asia理事なども務めている。
■ 大高 健志(おおたかたけし)キュレーター
大学卒業後外資系コンサルティングファームに入社。戦略コンサルとして事業戦略立案、新規事業立ち上げに携わる。その後、東京藝術大学大学院に進学し創作と資金とのより良い関係性構築の必要性を感じ、2011年にクラウドファンディングプラットフォーム『MotionGallery』を立ち上げ、2015年グッドデザイン・ベスト100受賞 。2017年にマイクロシアタープラットフォーム『popcorn』を立ち上げ。
■ 武田 知也(たけだともや)キュレーター
1983年神奈川県横浜市生まれ。舞台芸術プロデューサー。08年から国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」の立ち上げに事務局スタッフとして関わり、11年〜13年に制作統括。14年から京都市の公立劇場ロームシアター京都の事業・企画を担当。「KYOTO EXPERIMENT京都国際舞台芸術祭」「搬入プロジェクト―京都・岡崎計画―」、「CIRCULATION KYOTO」などの制作、プロデュースに携わる。
■ 松永 康(まつながこう)市民プロジェクト・キュレーター
1957年、埼玉県に生まれる。1981年、武蔵野美術大学卒業。埼玉県立近代美術館学芸員、国際芸術センター青森総括主任学芸員、横浜美術短期大学(現・横浜美術大学)非常勤講師、井(Jin)ART画廊(上海)芸術監督を経て、現在、NPO法人コンテンポラリーアートジャパン理事、武蔵野美術大学非常勤講師。2008年より「さいたま美術展<創発>プロジェクト」を展開している。
■ 浅見 俊哉(あさみしゅんや)市民プロジェクト・コーディネーター
2004年頃より「時間」と「記憶」をテーマに作品制作を行う。代表作品にヒロシマの被爆樹木を2012年より毎年撮り続ける『呼吸する影-被爆樹木のフォトグラム-』がある。「つくること」と「つたえること」の両輪を持って活動する事が自身の芸術であると考え、アートをつくる人とみる人の双方向の「場」や「時間」も精力的につくりだしている。さいたまトリエンナーレ2016ではSMF学校のコーディネーターを務めた。
雨森信氏がキュレーターチームに加わりました
この度、キュレーターチームに雨森信氏が加わりました。雨森氏は、アート・プロジェクトのなかの、メイン・プロジェクトを担当する予定です。
■ 雨森 信(あめのもりのぶ)キュレーター
大阪生まれ。2003年より大阪市文化事業の一環として「BreakerProject」を始動、西成区を拠点に地域密着型のアートプロジェクトに取り組むほか、「BEPPUPROJECT2010」、「札幌国際芸術祭2017」などで、キュレーションやマネジメントを担う。独自の表現手法を編み出すアーティストと取り組む実践を通して、新たな表現領域を開拓するとともに、「芸術と社会の生きた関係」について探求する。
さいたま国際芸術祭2020概要
■ テーマ「花 / flower」
■ 目的
(1)「さいたま文化」の創造・発信
(2)さいたま文化を支える「人材」の育成
(3)さいたま文化を活かした「まち」の活性化
■ 会期
2020年3月14日(土)~5月17日(日)[65日間](予定)
■ 事業展開
(1)アート・プロジェクト
(2)市民プロジェクト
(3)連携プロジェクト
■ 会場
メイン・エリア:大宮エリア(旧大宮区役所、旧大宮図書館、大宮盆栽美術館、鉄道博物館)
その他:彩の国さいたま芸術劇場、埼玉県立近代美術館、うらわ美術館、さいたま市文化センター、
岩槻人形博物館(開館予定)、その他市内各所
■ 主催 さいたま国際芸術祭実行委員会